ハイドロカルチャーに水やりをしている

ハイドロカルチャーでの育て方のポイント・よくある症状について

最近人気の「ハイドロカルチャー」は見た目が可愛いだけでなく、衛生的で虫が湧きにくかったり、水やりを行いやすいといったところから、観葉植物初心者にうってつけの育て方として注目を集めています。この記事では、そんなハイドロカルチャーでの育て方について詳しく解説していきます。

ハイドロカルチャーで観葉植物を育てる4つのポイント

ハイドロカルチャーで観葉植物を育てる際には、大きく4つのポイントを抑えておけばOKです!初心者さんでも簡単に育てられるように分かりやすく解説していきますので、一つずつ確認をしていきましょう。

ポイント①:「日光」はカーテン越しの柔らかい光を!

カーテン越しの柔らかい光に当たっているドラセナ

観葉植物の育成にとって「日当たりの良さ」は、最重要事項と言えます。植物の種類にもよりますが、基本的には「カーテン越しの柔らかい日の光」がベストとされています。

注意したいのは「直射日光」です。畑で育つ野菜とは異なり、観葉植物にとって直射日光は大敵です。最悪の場合「葉焼け」という葉っぱが焦げたような状態になり、一気に枯れてしまう危険がありますので、ベランダといった屋外などで育成する際には注意をしましょう。

また、光の当たりにくい「トイレ」や「玄関」に置く場合でも、日中の明るい時間などは光に当ててあげるようにしましょう。毎日は難しくても2〜3日に数時間光に当ててあげるだけでも、元気を取り戻してくれます。

ポイント②:「温度」は人間も快適に過ごせる温度を目安に!

観葉植物は人間が快適に過ごせる温度内(18〜28度)」であれば問題ない

観葉植物の適正温度は種類によっても変わってきますが、ほとんどの場合、「人間が快適に過ごせる温度内(18〜28度)」であれば問題ありません。逆に、本来亜熱帯地方に生息する観葉植物は高温には耐えられますが、室温が18度を下回る冬の時期は、かなり危険な環境と言えます。

そのため、冬場の気温が低い時期は、人間でも生活できる「リビング」などで育ててあげると良いでしょう。寒い時期は、暖房環境にない場所や日の当たらない暗所には、置かないようにしてあげて下さい。

ポイント③:「水やり」のタイミングは水が完全に無くなってから!

 

ハイドロカルチャーの水を注ぐ位置

ハイドロカルチャーに関わらず、観葉植物を育てる時は、完全に水が無くなってから水やりをするのが基本です。まだ水が残っている状態で水を与えてしまうと「根腐れ」を起こしてしまい、一度根腐れを起こしてしまうとほとんどのケースで助かりません

そこで、ハイドロカルチャーで育てるなら、透明な容器がオススメです!見た目が可愛いということは勿論ですが、容器が透明であることで、水やりのタイミングが一目瞭然です!

定期的に容器を観察し、容器内に完全に水が無くなったことが確認できてから、新しい水を与えるようにしましょう!水がなくてもすぐには枯れず、2〜3日は元気に育ってくれます。

水やりの適切量としては、容器の1/4〜1/3くらいが目安です。面倒だからと並々いっぱいに注いでしまうと、植物の呼吸を妨げてしまい根腐れをしてしまう場合もあるので注意しましょう。

ポイント④:大きくなったら「剪定(せんてい)」を!

育ち過ぎたら「剪定(せんてい)」をすると良い

伸びすぎてしまった葉や枝をカットすることを「剪定(せんてい)」と呼びます。人間での髪の毛をカットするのと同じことです。あまり意識されていない方も多いのですが、「剪定」を行うことは観葉植物を育てる上でとても大切なことです。

剪定をすることで見栄えが良くなるだけでなく、風通しが良くなることで、病気や害虫の発生を防いでくれます。また、葉同士の重なりを防ぎ、より効率的に光合成が行えるようになるため、定期的に剪定を行った方が植物は健康に育ってくれます。

剪定は暖かい時期に

剪定を行うのは生命力の高い、春〜夏の暖かい時期にしましょう。基本的に冬は成長がストップするため、あまり刺激を与えるのは良くありません。

剪定のコツは成長点を意識すること

剪定のコツは成長点を意識すること

基本的にカットする部分は自由ですが、茎の付け根の枝分かれしている「成長点」を残すようにカットすると、もう片方に分岐した茎は成長を続けます。

逆に成長点よりも下側をカットすると、そこから上には成長をしなくなるので、初心者の方は「成長点より上の部分をカットする」ということを意識すれば失敗はないです。

尚、植物によっても成長点の場所が異なるケースがあるので、大きくなってきたら植物名毎での選定方法を調べてみると良いでしょう。

ハイドロカルチャーで育てる時のよくある症状

ここからは、育てていく中でよくある疑問や症状について紹介していきます。

ハイドロカルチャーの表面が白くなる

ハイドロコーンの表面が白くなった状態

長期間ハイドロカルチャーで育てていると、ハイドロコーンの表面が白くなることがあります。これはカビではなく「水道水に含まれるミネラル成分」です。植物の成長を害するものではありませんが、気になる方は、ブラシなどで擦ってあげると綺麗になります。

葉っぱに元気がない

葉っぱに元気がないパキラ

ハイドロカルチャーに限ったことではありませんが、観葉植物の葉っぱのハリが失われ、ふにゃふにゃに垂れ下がってしまう時があります。その場合は、下記の原因が考えられます。

  • 日光不足
  • 温度管理不足
  • 水不足
  • 根腐れ

「日光不足」と「温度管理不足」は、置き場所を変えるなどして、対処してみて下さい。「水不足」は透明な容器を見れば一目瞭然ですね。この改善を行い、2〜3日様子を見ても元気が戻らない場合は、「根腐れ」を疑いましょう。根っこの部分の臭いを嗅いでみて、腐敗臭がするなら間違いなく根腐れです。

根腐れになってしまったら、腐っている根っこをすべてカットし、清潔な水で水差しにし、毎日水を取り替えます。新しい根っこが生えてきたり、葉っぱに元気が戻れば良いのですが、ほとんどの場合このまま枯れてしまいます。この「根腐れ」を防ぐためには、容器の底に事前に「防腐剤」を入れておくことが重要です。

葉っぱが枯れている・枯れてしまった

こちらもハイドロカルチャーに限った話ではありませんが、葉っぱが枯れる理由は症状によって、いくつかの原因が考えられます。枯れた葉っぱを見つけたら冷静に状況を確かめましょう。

葉っぱの一部分だけが枯れている場合

葉っぱの一部が枯れている場合はほとんど問題がない

葉っぱ全体のうち、一部分だけが枯れている(変色)している場合は、健康上には大きな問題がないケースがほとんどです。なにかの拍子に傷がついてしまうと、このように変色をしてしまうことがありますし、成長の過程でどうしても出てきてしまう場合もあります。あまりにも気になる場合は、暖かい時期に葉っぱごと剪定しても良いでしょう。

真っ黒に焦げたようになっている場合

葉焼けした斑入りモンステラ

真っ黒に枯れてしまった場合は「葉焼け」が考えられます。葉焼けは主に「直射日光」が原因です。葉焼けをしてしまった葉は復活ができないので、剪定を行い、直ちに植物の置き場所を変えてあげましょう

葉っぱが黄色くなっている場合

黄色に変色したマドカズラの葉っぱ

写真のように、葉っぱが一枚だけ黄色くなっているような場合は「葉っぱの寿命」が原因として考えられます。そのうち自然に落下しますが、気になる場合は葉っぱの根元から丁寧にカットしてあげましょう。

葉っぱが全体的に黄色くなってしまう場合は「日光不足」や「温度管理不足」が考えられます。特に気温が低い環境下になると、葉っぱが黄色くなってしまう傾向にあります。このような場合は、直ちに育成環境を見直してあげることで改善ができます。

定期的にしっかりと観察をすることも大切なポイントです!

パキラの新芽

1〜2日くらいでは成長を感じることは難しいですが、定期的に観察をすると、小さな成長を見つけることができます。大きな葉っぱの裏に隠れた新芽を発見した時の感動は、毎日大切に管理をしている人にしか理解できないでしょう。

ハイドロカルチャーは育てやすいとはいえ、やはり生き物です。細かく観察してあげることで、植物からのSOSも見つけやすくなります。定期的にしっかりと観察をすることも、ハイドロカルチャーで育てる上での大切なポイントとも言えるでしょう。